月別アーカイブ: 2019年6月

ドタバタかいご備忘録(54)介護士

約8年間、母は様々な介護施設で、たくさんの介護士の方にお世話になりました。

身の回りの世話からトイレの介助まで、夜勤もこなしながら

優しく接してくださった皆さんには、心から感謝しています。

グループホームでは、食事を作るのも介護士の仕事です。

料理経験の少ない若い男性介護士が、一生懸命メニューを考え作ってくださる姿には

感動すら覚えました。

 

華やかな仕事や若者に人気の仕事もある中、なぜ介護の仕事を選んでくれたのか。

私は、彼らによくそんな質問をしました。

 

ある女性は、最初は小学校の先生を目指していたそうです。

授業の一環で介護施設を訪れ、お年寄りと会話をした時、

先生と生徒の関係にはない魅力を感じたと言います。

先生と子供は「教える側」「教わる側」という上下関係があるが、介護は人対人。

対等な付き合いがしたくて介護士を選んだと話していました。

 

また、亡くなった祖母に対して十分な介護ができなかった後悔から、

この職を選んだという方もいました。

 

若い人たちの純粋な気持ちに胸を打たれました。

 

一方で、職を離れる介護士さんも多くいらっしゃいました。

心を許していた方が去っていかれる時は、母が動揺するのではないかという心配と、

理解者が減ってしまうことへの不安が募りました。

 

尊い志を持って介護士になった若者たちが、

この仕事を選んでよかったと思える介護現場であってほしい。

介護士の待遇に関するニュースを目にするたびに思っています。

 

ドタバタかいご備忘録(53)レクリエーションに挑戦

私は仕事の都合上、よく平日の午前中、会社に行く前にグループホームを訪れていました。

その時間は入居者がリビングに集まり、椅子に座っての風船バレーや、歌、体操、クイズなど

レクリエーションが多く行われていました。

毎回楽しく参加している方もいれば、眠ってしまっている方もいます。

私の母も、この時間は調子がすぐれないことが多く、

風船バレーでは私が母の横に座り代わりに打つこともありました。

 

レクリエーションに立ち会う中で、私は、もっとバラエティに富んだ内容になれば、

お年寄りも飽きることなく、いっそう楽しめるのではないかと思うようになりました。

例えば、ギターが弾ける介護士さんがいれば弾いて聞かせるとか、

ダンスが得意な介護士さんなら一緒に踊るなどしてはどうか…。

お年寄りはもちろん、介護士さん自身も自分の特技が活かせて楽しいはず!

そんなことを考えていると、ふと、

「それなら私も、アナウンスを活かしたことができるかも!」とアイデアが浮かびました。

子供向けの絵本の読み聞かせイベントのようなことを、お年寄りにもできないか?

テレビ派の脳トレみたいなクイズをやっても盛り上がりそう!

ホームへの恩返しになるかもしれないし、母もきっと喜んでくれるはず…

私の心は決まりました。

早速、ホームに進言し、お年寄りが喜びそうな、赤ちゃんの成長をテーマにした絵本を入手。

脳トレクイズ用に、持ち運べるホワイトボードも用意して挑みました。

 

イベントは大成功!

皆さん、たくさん笑って、たくさん言葉を発してくれました。

また、涙を流して喜んでくださった女性もいました。

中でも好評だったのは、ニュースコーナー。

入居者の中に、毎日熱心に新聞を読んでいる男性がいたことから思いついた企画で、

今注目の人や場所に関するニュースを、クイズを交えながら生で伝えるというものです。

例えば、当時アメリカの大統領だったオバマさんの写真を見せて、

この人は誰でしょう?というクイズを出題。

その後、オバマさんに関する短いニュースを、放送さながらの読み方で伝えました。

ニュースを読むたびに「おぉ~!」と感嘆の声をいただき、私も気持ちが良かったです(*^^*)

考えてみたら、母にとっても、私が読むニュースを傍で聞くのは初めてのこと。

なんとなく、照れくさいような誇らしいような顔をしてくれていた気がします。

子供の頃からアナウンサーの夢を一番応援してくれた母の目の前で、

ようやくアナウンサーらしいことができました。

ありがとうの代わりに

先日、長男の少年野球チームで練習試合がありました。

ホームグラウンドでの試合だったので、

お父さんたちは朝早くからトンボがけやライン引きなどのグラウンド整備、

お母さんたちはトイレ掃除やお茶出しの準備などを行いました。

わが息子は1週間前に椎間板を痛め、試合には出られないことが予想されましたが、

私も夫も準備と試合の応援に参加。

私は、途中で長女と次男のお昼ご飯を作りに帰るなど、行ったり来たりしましたが、

夫は、夕方の練習のお手伝いも含め、朝7時から夜6時まで

グラウンドに出ずっぱりの一日でした。

 

その日の夜のこと。

私がお風呂を沸かすため、バスタブを洗いにお風呂場に向かうと、

ちょうど長男がシャワーを浴びようとしていました。

私が「お風呂をこれから沸かすから、湯がたまってから入ったら?」と言いましたが

「シャワーでいい。」とそっけない返事。

私がノックもせずにドアを開けたので、ちょっとムッとしているようでした。

その後、シャワーを終えてリビングに戻ってきたので、

私がお風呂を沸かしに行こうとすると…

「チャラランララランラン…お風呂が沸きました」という、自動湯沸かし器のアナウンスが!

そうです。

なんと、長男がシャワーの後、私の代わりにバスタブを洗い、お湯をためてくれていたのです。

頼まれていないのにお風呂を沸かしてくれたのは初めてのこと。

「お風呂、沸かしてくれたん?ありがとう!」と感激する私の横で、

長男はあえて涼しい顔をしていました(*^^*)

この日一日、両親が自分のために動いてくれたことを、彼なりに感謝していたのかな。

「ありがとう。」の気持ちを行動で示してくれた息子に、成長と優しさを感じました。

ドタバタかいご備忘録(52)グループホームからの手紙

母が4年間お世話になったグループホームは、毎月、母の状況を写真付きのお手紙で

報告してくれました。

母が笑顔になったエピソードや、母と介護士さんの会話など、具体的に書いてくださり、

読むのがいつも楽しみでした。

 

『先日、散歩をしていた際、公園のトイレを使用しようとしたところ、とても汚れており、

急いでホームへ帰ったということがありました。

すると、次の日「公園へトイレ掃除に行きます」と掃除道具を持って

張り切って散歩へ出て行かれました。

講演の広いトイレを隅々までほうきではいて、バケツで水を流し、

馬場様の性格がとても現れていました。』(平成25年4月)

 

『先日の敬老会では、娘様が帰られた後、皆様の前に立って

「今日は素晴らしい日ですね!皆さん希望を持っていきましょう!」と

踊りを披露されました。

皆様から注目を浴びた時の馬場様の笑顔は本当に素敵で、

これからもこのような場を作りたいと思いました。』(平成25年9月)

 

『馬場様はいつも皆様より少し早く起きて、洗濯物たたみに、机を拭いたりと

スタッフの仕事を手伝ってくださいます。先日はズボンの毛玉取りを手伝っていただき、

機械の音に声をたてて笑われ、とてもきれいにしてくださいました。』(平成26年2月)

 

『秋の味覚祭りの時には、天気の良い日差しのもと、駐車場にテーブルを用意し、

炭火で焼いたサンマなどを皆さんと楽しくいただきました。

笑顔が絶えず、焼きサンマのおかわりをされていました。感想をたずねると

「バンザーイッ!!」と両手を挙げて答えてくださいました。』(平成26年10月)

 

今見返しても、介護士の皆さんの母への温かいまなざしに胸が熱くなります。

私が娘として、母に十分なことをしてあげられていない分、

ホームの方々がしてくださっていました。

感謝してもしきれません。

ドタバタかいご備忘録(51)“合う”介護施設

2012年5月、母(当時64歳)は広島市内のグループホームに入居しました。

2階建ての建物に18人の認知症のお年寄りが生活する(個室)、小規模な施設です。

「本人ができることは自分で行ってもらい、難しいことはできるよう援助する」

「本人の尊重が守られた生活、そして自分らしい人生が送れるようサポートする」

という介護方針は、まさに私が求めているものでした。

 

一番嬉しかったのは、やはり食事。

前の老人ホームでは、食材の形が分からない介護食でしたが、

このグループホームでは初日から普通の食事が提供されました。

その代わり、誤嚥をしないよう、食べ始めるのは薬が効いて状態が良くなってから。

他の入居者がすっかり食べ終わっていても、時間がかかっても、スタッフはせかしません。

母は、何年かぶりに、自分で箸をもち、ゆっくりでしたが普通食をたいらげました。

不自由ながらもおいしそうに食べる母を見て、

私は思い切って住み替えて本当に良かったと思いました。

 

他にも、筋力など体の機能を保つため、施設の中ではほとんど車いすを使わず、

立ったり座ったりを丁寧にサポートしてくれました。

また、近所のコンビニエンスストアへの買い物や、公園への散歩など、

外出での気分転換もはかってくださいました。

状態のいい時に、料理や洗濯の手伝いをさせていただけるのも、

脳の活性化や生きがいにつながっていたと思います。

 

老人ホームとグループホームにはそれぞれ、メリットデメリットがあります。

また、施設によって介護方針も違います。

施設の転居は勇気のいることですが、時には見直す柔軟さも必要なのかもしれません。

お年寄りのその時の状態によって、“合う”介護施設は変わるのです。

(グループホームにて)

ドタバタかいご備忘録㊿ 施設に預けるのも介護

もっと母に合う施設があるのかもしれない…

そんな思いから、近隣の高齢者施設の見学を始めた頃、

私に、介護についての講演をしてほしいという依頼がありました。

依頼主は、母を自宅で介護していた時お世話になったケアマネージャーさん。

介護のイベントで、経験談を話してほしいとのことでした。

それまで、身近な人にもほとんど話すことのなかった母の話。

しかも、現在は施設に入居していて、自分が介護しているわけではありません。

冷静に話せる自信もなく悩みましたが、恩返しがしたかったのと、

自分の気持ちの整理にもなるかもしれないと思い、引き受けました。

そして、この講演が、母の新たな施設を見つけるきっかけになります。

このイベントには、多くの介護職関係の方が参加していました。

私が「食事もレクリエーションも、危ないからやらないではなく、

リスクをふまえた上で、どうやったらできるかを考えてくれる施設を探している」と話すと、

「まさに、そういう考えを持った方がグループホームを始める。」と教えてくださいました。

「グループホーム」とは、認知症の高齢者を対象にした少人数の施設で、

老人ホームと比べて、個々の状況に合わせたケアが行われやすいと言われます。

こうして人のご縁に導かれ、母は終の棲家を見つけたのでした。

 

ところで、この講演の際、ある介護士の方にかけていただいた忘れられない言葉があります。

私が、「今は施設で母を見てもらっているので、介護をしているとは言えません。」と話すと、

「施設に預けるのも介護。お母さんのことを考えて、お母さんのために動いているのだから、

あなたはちゃんと介護していますよ。」

とおっしゃってくださいました。

この言葉に、どれほど救われたでしょう。

以来、私は、ようやく人前で

「母が介護施設にお世話になっている」と言えるようになったのです。

広島テレビとNHK広島放送局が再びコラボします!

明後日、6月5日(水)、

広島テレビ「テレビ派」とNHK広島放送局「お好みワイドひろしま」のコラボ放送

第二弾を実施します。

今回のテーマは「西日本豪雨 被災地からの声~今、私たちにできること~」

視聴者の皆さんからいただいたメールやファックスを元に、被災地の現状を取材。

雨の季節を前に、今私たちにできることを考えます。

 

その取材のため、私は先月、NHKの黒田アナウンサーと共に呉市音戸町へ行きました。

被害の大きかった先奥地区では、山から流れ着いた大きな岩を重機で砕き、

トラックで何度も運び出していました。

夕方、作業が終わり、岩を削る音が止んだ時、

鳥の鳴き声がたくさん聞こえることに気が付きました。

災害前、ここには穏やかな日常があったのだなと感じ、切なくなりました。

 

私は、あの日避難をせず、自宅にとどまることを選んだ男性に話を聞きました。

今でもあの時どうするのが正しかったのか、答えが見つからないと言います。

自分だったらどうしていただろうか、と考えさせられるインタビューになりました。

 

1200年の歴史がある波多見八幡神社にも足を運びました。

元々は林に囲まれていましたが、豪雨による土砂崩れで、境内ののり面が崩壊。

片側だけ景色を変えてしまっていました。

復旧工事の費用を捻出するため、氏子の皆さんが始めた新たな取り組みを

黒田アナウンサーが取材しています。

 

被災した方から直接聞く話は、はっとさせられることが多くあります。

いざ逃げようとした時、人は何を思うのか。

避難を促すのに効果的な言葉は何なのか…。

被災地からのメッセージをしっかりお伝えできるようがんばります。

 

広島テレビ・森アナウンサーとNHK・平井キャスターの熊野町リポート、

坂町や安芸津町からの中継もあります。

是非、ご覧ください。