オバマ大統領来広のきょう、密着取材させていただいた数少ない英語による被爆証言者、
小倉桂子さんを通して多くの出会いがあった。 (写真は小倉桂子さん)
特にこの1週間、世界中のメディアから取材を受けてきた小倉さんにカメラを向けた1人が、
アメリカ人の青年アリ・ビーザーさん(28)だった。
彼の祖父は、広島と長崎の両方に原爆を投下した飛行機の搭乗員ジェイコブ・ビーザー氏。
5年前祖父の足跡を辿り訪れた広島で小倉桂子さんの体験を聴き世界が変わったという。
物事には様々な見方がある。その後、彼は被爆者の方を取材するようになった。
アリさんは「戦争を考える上で広島の原爆は避けては通れない。
世界の国々が理解し合うため広島の体験は知るべきで、オバマ氏は広島でスピーチをするが、
長崎のことも世界に発信されることを願い、訪れてほしい」と語った。核実験で被爆したアメリカ人
の存在もある。アリさんは広島を知るために広島に住んでいたこともあると聞き驚いた。
私に被爆米兵を慰霊するプレートのある場所を訪ね、小倉さんとハグをして別れた。
オバマ大統領はその被爆米兵のプレートを設置した被爆者の森重昭さんを抱き寄せた。
大統領の「生きている間に(核のない世界が)実現できないかもしれないが、粘り強い努力によって
破滅的な状況の可能性を後退させることができる」との言葉に、肌感覚で核の危機にさらされている
現実を実感する。
核兵器廃絶へのカウントダウンに向けて一緒に歩いていきたい。