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あの頃ぼくらは

若者にクルマが売れない時代になった。最近言われます。
興味というのは消費につながる。
つまり、好きなものにはお金を使うということです。
最近の若者は車への興味があまりなくなった。
他にお金を使いたいものがあるし。
だから、若者がクルマを買わなくなった。
これが売れない時代の理由だそうです。

高校生の頃、原付が精いっぱい。
大学に入る前の春休みに、みんな鼻息荒く自動車学校の門をたたきました。
待合室では中古車情報誌をみんなで見ながら、
あれに乗りたいこれに乗りたい。
目を輝かせて話したものです。
当時の私たちにとって、クルマは初めて持つ自分の城。
完全な自分だけの空間でした。
オーディオにこだわる人、シートにこだわる人、
そういえばヘッドレストにバンダナを巻いていた人もいましたっけ。
今考えると…。まぁ、そんな時代です。
エアバッグが普及していなかったあの頃は、
ハンドルさえも簡単に好みに変えられた時代でした。

初めて買ったのはコミコミ30万円のターボ付きの軽自動車。
まわりはそんなヤツらばかりでした。
ところがその仲間の一人が乗っていたとんでもなくかっこいいクルマ。
緑色のボディに茶色い幌。2人乗りのスポーツカー。

「ユーノスロードスター」
と当時は言いました。

初代ロードスターです。
乗らせてもらってもかっこよかった。
座るとぐっと沈み込み、地面に近いところを走る感覚。まさに操縦席。
シフトレバーの位置もよかった。
レーサーにでもなったかのような感動がありました。
あいつはさらにメーターの周りに銀色のリングを付けて、
ハンドルはナルディに変えてたっけ。

あれから15年以上。
私の目の前に、あのとんでもなくかっこいいクルマが帰ってきました。
新型マツダロードスター。
もう4代目です。
発売前に取材で試乗させてもらいました。
変わらない。
あの地面スレスレを走る感覚、シフトレバーの位置。
聞くと、この新型は初代に最も近いと言う。
「人馬一体」はその初代の頃から変わっていない開発コンセプトです。

その昔、ただの移動手段ではない馬を、人は愛馬と呼びました。
すでに95万台が販売されているロードスター。
新型の登場で、愛車と呼ぶ人がさらに増えていくんでしょうか。