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職人であるのは変わらない

懐かしい。と言っても37歳の、それくらいの懐かしさです。
小学生の頃、校門の前におじさんが来てた。
隣では黒い筒状の機械がぐるぐる回ってる。
金網でできた四角い箱もありました。
おもむろにおじさんが機械を止めた。右手には金属の棒。
リズミカルにカンっ、カンっと叩く。
その瞬間…

「ボンっ!!」

子供には刺激が強すぎます。
心臓が飛び出るくらいの爆音。当然、機械が壊れたかと思った。
そしたら煙と一緒に広がったのは…、
甘い匂いでした。
金網の箱に収まった小さな粒を子供たちに少しずつ渡していきます。
…美味しい。その甘さに驚いた。
おじさんが言います。
お米を持って来れば、この甘い粒に変えてくれるという。
ダッシュでお米を取りに家へと急ぎました。一回300円だったか…。
そう、「ポン菓子」です。

取材で行った東広島市黒瀬町にポン菓子の職人がいた。
移動しての実演販売のカタチは今も変わらない。懐かしい風景です。
昔のようにおじさんが運んで…いや違う。
お姉さんです。
「この音慣れないんですよ、怖くて。」
首からかけているのは、おしゃれな耳栓。
ふむ、味はさすがに変わらないはず…
「これはキャラメルバナナですね。こっちはレーズンとシナモンです。
酒粕なんてのもありますよ」
ポン菓子の常識がどんどん覆っていきます。
もちろん懐かしのポン菓子もある。
地元東広島のお米を使ったポン菓子をたくさん食べてもらいたい。
思いはそこにある。
加えて女性ならではのアイデアと工夫。
進化系ポン菓子はそうして出来上がっていったそうです。

そうそう。気になるあの機械。
「穀類膨張機」という。
その名の通り、穀物ならなんでもポン菓子になる。
「大豆は人気ですね。トウモロコシはそのままポップコーンになります」確かに。
米以外のポン菓子も食べたくて、マカロニポン菓子をもらった。
軽いサクサクの食感。シナモンパウダーが効いてる。
失敗はないのか聞いてみた。
「シイタケはダメでした。匂いがきつくて…」
笑いながら話す姿はまるでカフェのお姉さんのよう。
けれど、その手が作り出す物は人を笑顔にする。幼心に憧れたポン菓子職人。
その変わらない姿が黒瀬にありました。
やっぱり…懐かしい味です。

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