月別アーカイブ: 2017年3月

所変われば

前回のチャーハンに続いて、食べ物の話です。
いやいや今回は手作りの話じゃない。
世の中で広く出まわってる食べ物の話です。
広く食べられているけど、その名は知られていない。
今日はそんなちょっとややこしい話です。

先日、「玉子焼き」を食べてきた。
黄色みがかった生地。
はしでつまむのが難しいくらいのやわらかさです。
それをそーっとだしにくぐらせ、口の中へ。
ふわふわの口当たりと、広がるだしのやさしい味わい。
たこもぷりっとしてます。
美味しい。
次々と手が止まらない。
あっという間に15個食べてしまった。
え?
何の話かというと、これは「玉子焼き」の話です。

兵庫県明石市。
この一帯の地域で「玉子焼き」と呼ばれている名物。
そう、広島や全国的には「明石焼き」と呼ばれる、あれです。
明石焼きはたこ焼きと違い、生地の主な材料は玉子。
玉子をふんだんに使うから、「玉子焼き」なのです。
こういったものは他にもチラホラ耳にする。
例えば「コウネ」。
広島でいうと、焼肉店や鉄板料理店で食べられる、あのうま味たっぷりの牛肉の部位です。
県外からのお客さんと一緒に行くと、非常に喜ばれる。
これは広島でしか食べられていないそうで、ずいぶん珍しがれることからも重宝します。
ところがです。この「コウネ」。
九州・熊本の焼肉店などでうっかり言ってしまうと、
「ウチでは馬刺しは扱ってない」と困惑されることもある。
「コウネ」は馬肉でいうと、タテガミの部分の肉のこと。
馬刺しが名物として食べられている熊本では、全く違う食べ物になってしまうわけです。
所変われば品変わる。
数百年前までは、日本はそれぞれの土地が別の国家で、
行き来することも困難だったことから、
こういったことが生まれたのだろうか。
往来はもちろんのこと、
世界中までもがインターネットでつながる現代のような世界では、
こういったことは起きないんだと思う。
そんな時代ならではの面白さが、食べ物の名前にも息づいています。

さて、広島で「二重焼き」と呼ばれる
あれの全国での呼び方を最後に並べてみようと思う。
大判焼き、今川焼、太鼓焼き、太閤焼き、回転焼き、おやき、あじまん、蜂楽饅頭…。
書ききれないほどありました…。